A何か営業で珍しい体験をしたって聞いたのですが…目を合わせないまま営業したことがあるとか…
Bそうなんですよ。アレはまさかでした。
A詳しく教えてもらえますか?
Bはい。あれは、ある埼玉のマンションに訪問販売にし行った時なんですけど。その時は先輩と二人で営業していて、そのマンションに着いたら先輩は上の階から、僕は下の階から順番に売っていこうってことになったんですね。それで、下の階から順番にベルを鳴らしていこうと思ったら、一番端のほうにバイクの修理をしている20代後半くらいの男の人がいたんです。
Aちょっと話しかけづらいですね。
Bそうなんです。ちょっと難しいかなぁ、と何となく思いましたね。でも、どうせ一階の部屋全てに訪問するんだから、最初に声かけてみようと思って声をかけたんです。
Aさすがですね!
Bいやいや。それでいつものように「順番にお知らせで回ってまして、今少しお時間よろしいですか?」って声を掛けてみました。そうしたら意外にも「修理しながらでいいなら、聞くよ」と返ってきたんです。なので、それで話をしてみることにしました。
Aいやー、でもやりづらいですよね?
Bそうでしたね。実際、結構やりづらかったです。商品の話をしている最中は、たまに「へぇ」とか相槌を打ってくれるんですけど、基本的にはバイクをいじってるので、全然目を合わせてくれなくて。でも、めげずに話を続けていました。正直気持ち的には、「まぁこの人は契約してくれないだろう」という気持ちでしたけどね。
Aそれは、そうですよね。
Bはい、それでそうこうしているうちに、特に良い感触も掴めないままクロージングに入っちゃったんです。でも、驚いたことに、「契約するよ。何書けばいいの」と言ってきたんです。
Aえぇ〜!すごいですね!
Bラッキーですよね。まったくもって。それで、普通に何の問題もなく契約書にサインしてもらって、無事に終わりました。
Aそれはそれは、よかったですね。それにしても、面白い体験でしたね。
学びのポイント
「あなたが買っても買わなくても、私にとってはどちらでもいいんです」という姿勢が営業に成功をもたらしてくれます。
なぜか?それには理由があります。
例えば、世界的な権威であるマーケッターのダン・ケネディは、このことに関して以下のように言っています。
「売れるかどうかにまったくこだわらない淡々とした態度がセールスを成功させる」
この言葉は、『億万長者の不況に強いセールス戦略』より引用しました。
あのダン・ケネディが言っているのですから、間違いないでしょう。
少しイメージしてみてください。
実際のところ、「これめっちゃいいから、今すぐ買いなよ!ねぇ!買いなよ!」と熱く言われると、「いや、いや、もういいから」となってしまいますよね。
でも、「これ結構いい商品なんだけどさ、要る?もし要らないなら他の人に譲っちゃうけど」と言われるほうが「もう少し聞かせてくれない?」となりますよね。
つまり、私たち人間は ”売り込まれるのが嫌い” だということなんです。
いつの間にか、あまりの熱心さで売り込んでしまうことがあると思うので、注意したいですね。
この大切な姿勢についてはこの記事に、詳細に書かれています→営業で成功する人は悪女の法則を使っている『非常識な成功法則』より